VGCCAb RIA「コスミック」 神経疾患 | 臨床検査薬(体外診断用医薬品・研究用試薬)の株式会社コスミック コーポレーション
神経疾患
VGCCAb RIA「コスミック」
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【キットの説明】
本品は、RIA法による患者血清中のP/Q型カルシウムチャネル(Voltage-Gated Calcium Channel: VGCC)に対する自己抗体(抗P/Q型VGCC抗体)の測定用キットである。患者血清中のP/Q型VGCCに対する自己抗体(抗P/Q型VGCC抗体)と界面活性剤で可溶化したヨウ化ωコノトキシン MVIIC(125I)ウサギ脳組織抽出P/Q型VGCCとを反応させ、抗P/Q型VGCC抗体とヨウ化ωコノトキシン MVIIC(125I)ウサギ脳組織抽出P/Q型VGCCの複合体を得る。この自己抗体/抗原の複合物を、抗ヒトIgG(抗ヒトIgG ヤギポリクローナル抗体)によって免疫沈降させ、遠心分離によりB/F分離し、非結合125I-ωコノトキシンMVIICを取り除く。チューブに残った放射能は患者血清中の抗体量比較するため、放射能を測定することで、患者血清中の抗P/Q型VGCC抗体の濃度を知ることができる。本法においての非特異反応は、過剰量の非標識コノトキシン存在下で125I-ωコノトキシンMVIICと患者血清を反応させその沈殿物の放射能を測定することで知ることができる。
本品は、RIA法による患者血清中のP/Q型カルシウムチャネル(Voltage-Gated Calcium Channel: VGCC)に対する自己抗体(抗P/Q型VGCC抗体)の測定用キットである。患者血清中のP/Q型VGCCに対する自己抗体(抗P/Q型VGCC抗体)と界面活性剤で可溶化したヨウ化ωコノトキシン MVIIC(125I)ウサギ脳組織抽出P/Q型VGCCとを反応させ、抗P/Q型VGCC抗体とヨウ化ωコノトキシン MVIIC(125I)ウサギ脳組織抽出P/Q型VGCCの複合体を得る。この自己抗体/抗原の複合物を、抗ヒトIgG(抗ヒトIgG ヤギポリクローナル抗体)によって免疫沈降させ、遠心分離によりB/F分離し、非結合125I-ωコノトキシンMVIICを取り除く。チューブに残った放射能は患者血清中の抗体量比較するため、放射能を測定することで、患者血清中の抗P/Q型VGCC抗体の濃度を知ることができる。本法においての非特異反応は、過剰量の非標識コノトキシン存在下で125I-ωコノトキシンMVIICと患者血清を反応させその沈殿物の放射能を測定することで知ることができる。
ランバート・イートン筋無力症候群(LEMS)
LEMSは、神経筋接合部のシナプス前終末からのアセチルコリンの放出障害により、四肢筋力低下、腱反射低下、および自律神経障害を呈する神経筋接合部・自律神経の自己免疫疾患である。また、LEMS患者の半数以上が悪性腫瘍、主に小細胞肺癌(Small Cell Lung Carcinoma: 以下、SCLC)を合併する傍腫瘍性症候群でもある1)。LEMSと診断された場合、SCLCの検索を開始し、腫瘍が発見された場合には腫瘍の治療が実施される。また、LEMSの治療としては、対症療法として3, 4-ジアミノピリジンやコリンエステラーゼ阻害剤、免疫治療としてステロイド等が用いられる。重症LEMSでは、血漿交換や免疫グロブリン大量静注療法が使用される。 LEMS患者の85から95%は、P/Q 型電位依存性カルシウムチャネル(P/Q-type voltage-gated calcium channels: 以下、VGCC)に対する病原性自己抗体(抗VGCC抗体)を有する(臨床有用性の項参照)。抗VGCC抗体は、神経筋接合部のシナプス前終末のVGCCの機能障害または減少を引き起こし、アセチルコリンの放出を阻害することで、その結果神経筋伝達の障害、筋力低下を引き起こす。一方、極稀ではあるが、LEMSではない抗VGCC抗体陽性SCLC患者や、LEMSではない抗VGCC抗体陽性傍腫瘍性小脳変性症などが存在するため、抗VGCC抗体検査は、その結果のみでLEMSと診断することができない点については注意が必要である。 LEMSの診断は、「ランバート・イートン筋無力症候群の診断基準」(難治性疾患政策研究事業「神経免疫疾患のエビデンスによる診断基準・重症度分類・ガイドラインの妥当性と患者QOLの検証研究班」)に則り行われており、臨床症状及び検査所見(抗VGCC抗体検査及び反復神経刺激誘発筋電図)を揃えて診断されている。 |
臨床有用性
抗VGCC抗体は、LEMS患者の85から95%で陽性となる検査である2, 3)。特に症状が類似の重症筋無力症、筋炎、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー、筋萎縮性側索硬化症、ボツリヌス症、有機リン中毒との鑑別には欠かせない検査であり、本品の臨床性能試験では、LEMSに対して感度91.7%、重症筋無力症等の類似疾患に対しては全例陰性であり特異度100%という結果を示した4)。 |
キットの特徴
商品コード | B0013641 |
原理 | RIA |
測定範囲 | 15.7~250pmol/L |
テスト数/容量 | 25 |
測定試料 | 血清 |
保管条件 | 2~8℃ |
保険点数 | 1000点(2021年9月時点) 保険点数算定にあたっては必ず最新の情報をご確認ください。 |
使用目的 | 血清中の抗P/Q型カルシウムチャネル抗体の測定 (ランバート・イートン筋無力症候群の診断の 補助) |
参考文献
タイトル | 著者 | 掲載誌 |
---|---|---|
1)Seronegative Lambert-Eaton myasthenic syndrome: study of 110 Japanese patients. | Nakao YK, Motomura M, Fukudome T, Fukuda T, Shiraishi H, Yoshimura T, Tsujihata M, Eguchi K. | Neurology.; 59(11): 1773-5., 2002. |
2) An improved diagnostic assay for Lambert-Eaton myasthenic syndrome. | Motomura M, Johnston I, Lang B, Vincent A, Newsom-Davis J. | J Neurol Neurosurg Psychiatry.; 58(1): 85-7., 1995. |
3) Calcium-channel antibodies in the Lambert-Eaton syndrome and other paraneoplastic syndromes. | Lennon VA, Kryzer TJ, Griesmann GE, O'Suilleabhain PE, Windebank AJ, Woppmann A, Miljanich GP, Lambert EH. | N Engl J Med.; 332(22): 1467-74., 1995. |
4)放射性免疫沈降法によるP/Q型電位依存性カルシウムチャネル抗体測定キットの基礎的・臨床的検討 | 本村政勝, 北之園寛子, 白石裕一, 吉村俊祐, 中田るか, 辻野彰, 川上純, 中尾洋子, 佐藤聡, 辻畑光宏, 池浩司, 田中愛, 竹内一翔, 菊地強. | 医学と薬学.; 77(7): 1057-63., 2020. |
関連動画
LEMSの疾患概念や抗VGCC抗体の臨床的意義について、本村先生にご講演頂いております。 P/Q型カルシウムチャネル(VGCC)抗体とランバート・イートン筋無力症候群(LEMS) 座長:高守 正治 先生(金沢西病院 脳神経センター) 演者:本村 政勝 先生(長崎総合科学大学 工学研究科) 第61回日本神経学会学術大会 共催セミナー https://www.cosmic-jpn.co.jp/lecture/?id=1602481200-721019&mca=&ca= |
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